健保ニュース
健保ニュース 2026年10月中旬号
兵庫で時局講演会
自民大串氏 皆保険維持へ意識改革を
健保連兵庫連合会(会長・長谷川徹川崎重工業健保組合理事長)と健保連本部は9月25日、神戸市内で時局講演会を開催し、健保組合関係者約50人が集まった。
自民党の大串正樹衆院議員(当時、衆院厚生労働委員長)が現在の政治・社会保障をめぐる情勢について講演し、「医療サービスとセルフメディケーションの両輪があって初めて皆保険を維持できる。デフレからインフレに変わるタイミングだからこそ、(自助努力に取り組む)意識改革をしなければならない」と呼びかけた。
少子高齢化と人口減少が続く中でも社会保障サービスの提供を続けるには、「医療と福祉を切れ目なく提供していくことが、大きな課題になっている」と述べた。
また、地震や豪雨などの自然災害が多発する中でも希望する地域で暮らすための環境整備も必要だとし、「地域をどう作るか、その中で社会保障サービスをいかに維持、提供していくかも重要な課題だ」とした。
大串氏は医療の高度化にも言及し、「例えば、1回の注射で1億円かかるが、完全に病気を治せるような薬が、遠くない将来に普及すると思う」と見通した。
一方で、「高額療養費制度のおかげで負担が抑えられるからといって、そういった薬が一斉に使われたら、おそらく医療保険財政は破綻してしまう」と危惧し、「先進医療をどう扱うか考えていかなければならない」と述べた。
薬価制度については、販売価格が薬価より低く、薬価改定でさらに薬価が下がる点など「デフレ下で薬価が下がる前提」であることを問題視。「公定価格と実態がずれており、インフレ下で機能不全になっている」として、ドラッグロスを防ぐためにも見直しが必要だと指摘した。
医療保険制度の維持に向けては、「ある程度リフォームしなければならない時期だ」という認識を示した。「賃金や物価が上がると、医療サービスの値段も上がっていく。その中でうまく保険の仕組みが機能するように調整するのは非常に難しいが、取り組まなければならない」と語った。
このほか、医療DXの推進や社会保障改革に向けた与党協議、衆院厚労委のスウェーデン視察の概要、社会保障教育の必要性などにも言及した。
兵庫連合会の長谷川会長は冒頭のあいさつで、県内の4組合が今年、設立100周年を迎えたと紹介した。一方で、次の100年を見据えると、医療の高度化による医療費の増加や高齢者医療への拠出金の伸びにより、厳しい状況が続くとして、「医療保険制度の持続可能性を高めていくことが重要だ」と訴えた。
健保連の米川孝副会長は健保組合の財政について、健保組合全体の令和7年度決算が黒字になる見通しの一方、1000万円以上の高額レセプトが大幅に増加していることに言及し、「決して楽観できない。数年先がさらに良くなるとは言えない状況だ」と述べた。
その上で、後期高齢者の現役並み所得者への公費投入といった高齢者医療制度改革の実現を訴えた。